トラジャ、渡米するってよ。

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好きな人が渡米する。

こんな出来事はこの先もう一生起こらない気がしたので、記録としてここに残すことにした。いつか未来の自分が、あのときの心配は杞憂だったなぁと笑えるように。

 

 

「明日インスタライブやるよ」「今回はアーカイブは残さないからリアルタイムで見てね」というような内容のストーリーズが上がったのは2022年3月2日。リアルタイムで見られない人もいるからと、いつも中村海人さんの権力で残してくれていたアーカイブが、今回は残らない。これは大事だとすぐに分かった。

さらに当日、7人全員が「21時からのインスタライブを見てね」という内容のとらまるを更新した。定期更新以外ほぼ更新のないげんまるさえも更新されている景色を見た瞬間、ツアー発表以上に大きな発表があると察してしまった。残さないから見てほしいのではなく、見てほしいから残さないと言っているのだ。ただのひな祭りインライではない。悪いニュースだったらどうしよう...と思ったが、のえまるに「3月3日が、僕たちみんなにとって良い日になります様に」と書いてあること、今回は一時間配信するというような内容も書いてあることでさらに混乱した。トラジャにとっては良いことで、なるべく多くの人にリアルタイムで見てほしい内容で、おそらく発表後にみんなが咀嚼する時間が必要な内容......と考えたとき、いろいろな可能性が頭をよぎった。まさか、メンバー脱退?それとも加入?如恵留くんがまた留学?何か新しいプロジェクトが始まるのか?なるべく自分がショックを受けないように考えてみたが、どれもしっくり来なかった。

 

21時になり、鬼の速さでインスタライブを開くと、いつも端っこにいるうみちゃんが前列の真ん中に座っていた。いきなりのイレギュラーに戸惑う。そして、7人ともそわそわしながらも嬉しそうである。ちゃかちゃんはひな祭りにインライができるなんて夢みたいだね、などと心にも思っていないボケをかましメンバーが笑い合う中、私はずっと心臓が痛かった。ただ、悲しいニュースではない気がしたから、それなら早く教えてくれと思った。

 

では発表を、とちゃかちゃんがポケットから紙を出した。思わず、矢文か?!と叫んだが、矢文ではなかった。発表の内容を間違えないように書いてきたらしい。そんなに難しいことをいまから話すのか?間違えるレベルの発表ってなんだ?去年11月のあつまれどうぶつの森のアップデートくらい膨大な量の新要素が放たれるのか?などと思っている中、発表されたのは、

 

「僕たちは、3月下旬に、アメリカ ロサンゼルスに行くことになりました!」

 

ということだった。

そのとき私は「え、すごいじゃん」と思った。2019年にキンプリがアメリカに一週間滞在し、ダンスレッスンやボイストレーニングを受ける武者修行をしていたのを思い出したからだ。その際『Namae Oshiete』という曲も誕生した。短期間の修行なのか大会出場なのかわからないが、きっと良い経験になると思うし、ギャル姉妹がLAを歩いたらいよいよ世界のギャルになっちまうな〜などと呑気に思っていた。

しかし話を聞いていくと、そういうことでもなさそうだった。

ダンスレッスン、ボイストレーニング、語学の勉強をする。家を借りて、7人で一緒にシェアハウスをする。ダンスの大会にもいくつか参加する予定。すでに参加が決まっている大会もある。滞在期間は未定。帰ってくる予定は、今のところない。予定は自分たちで決める。いわゆる武者修行。結果を残してから帰ってくる。

そのあたりから、私は頭が追いつかなくなってきた。今年こそデビューすると意気込んでいた彼らにとって、その選択は遠回りになっていないのか不安になった。期間を定めていないということは、今年中に帰ってくる保証もないということではないのか。というかちゃかちゃん、3月下旬って言った?もう一ヶ月もないじゃん...!なんでそんな急に?!と驚いた。

 

そして次に

あーーーーーーー如恵留くんに手紙はやく書けばよかったーーーーーーー!!!!!!!私のバカ!!!!!!!!!!!!!!

と叫びそうになった。私は如恵留くんにずっと手紙を書きたくて、今週末にゆっくり時間をかけて書こ〜と思っていたところだった。先日、『君が落とした青空』を観てから、好きな人にちゃんと好きと伝えよう、後悔のない毎日を過ごそうと決心したのに、自分の行動の遅さで早速後悔をした。

同じ地球にいるとはいえ、好きな人たちが遠くに行くことがこんなに寂しいことなんて考えたこともなかった。ファンを心配させないようにするためか、7人が元気に話していることが逆にすごく不安になった。インスタライブは画面が反転していて、みんなの表情がいつもと違うように見えていたから、というのもあるかもしれない。

 

みんながひとりずつ喋る場面もほとんど話が入ってこず、如恵留くんが「絶対に置いてかないから」「取り残さないからね」と力強く言ってくれたことはしっかりと覚えている。ちゃかちゃんも何か良いことを喋っていたような気がするし(あまり内容を覚えていない...ごめんちゃかちゃん)、閑也くんも諦めないのがトラジャだと言っていたし、松倉くんは緊張してるのか真剣な表情が多かったが「料理、頑張ります」と言ったときメンバーと目を合わせながら、いつもの笑顔になった。しめちゃんは今回の修行は2年前から考えていたこと、ファンに恩返しをしたい、良い景色を見てほしいということを真っ直ぐな声で伝えてくれた。元太くんは「離れていても、心は繋がってるからぁ...よろしくぅ」と、少しキャラをつくって気だるそうに、でもアツい言葉を伝えてくれた。うみちゃんは、これは悲しいお知らせじゃ無くてハッピー(ジェスチャー付き)なお知らせだからねと言っていた。テンションに差はあれど、今回の渡米について7人とも最終的には納得していて前向きに捉えている印象だった。

 

ただそのとき、私と7人の感覚は乖離していたことに気づいた。メディア露出も増えて勢いのあるいまのタイミングで、スキルアップを目指すために海外にまで行く必要があるのか正直分からなかった。それでも私は根が流されやすい人間なので、トラジャが前向きな姿勢を向けてくれている限り、それをしっかりと受け止めて同じ温度で返したほうがいいと思った。そうすることが正解だと思っていたのかもしれない。インスタライブが終わってTwitterを開くと、みんなが思った以上に戸惑いや不安の言葉をつぶやいていた。驚いたと同時に、自分の意見や感想を素直に言ってもいいんだ、何にも流されることなくもう一度自分の感情を整理しようと思った。

 

LAに行くこと

→2年前からそういう話が出ていたらしいが、こちら側としては唐突に感じた。年内デビューしたいという話と今回の無期限武者修行が繋がっているのか分からなかった。シンプルに寂しい。元々近い距離にいたわけじゃないけど、日本にいないということは想像以上にかなり大きいことかもしれない。治安が心配。何かあったら心配。日本よりも楽しいって思ったらどうしよう。戻ってきたときに日本を窮屈に感じたらどうしよう。ジャニーズ以外の道を見つける可能性だってあるんじゃないのかな?

 

スキルアップしたいこと

→この人たちはどこまで強くなるつもりだ?歴代ジャニーズの曲に新たに振り付けをして命を吹き込む+81 DANCE STUDIOを託されたのは、トラジャの実力が自他共にしっかりと認められるようになったからだと思っていた。

 

+81を一時的に後輩に託すこと

→なんで?トラジャだから実現したことで、トラジャの大切なチャンネルじゃなかったのか。チャンネルの主旨を考えれば、いずれは後輩にバトンを繋いでいくことになるのはわかる。でもいまはまだ駄々をこねたい......。

 

あれ、思ったよりも、思っていることがいろいろあるな……。

 

とはいえインスタライブ後、メンバー全員がすぐに2回目のとらまるを更新したりインスタに写真を載せたり、アフターフォローをしてくれたことで、本人たちもみんなが戸惑うことが分かっていたし決して蔑ろにしていないことが伝わってきたのはほっとした。ただその日は長い文章を読む気持ちになれず、眠れないまま布団に潜っていろいろと考えていた。

インスタライブ、みんな元気に見えたけど、後半はメンバー何人か瞬きが多くなっていたような気がした。あれは泣いていたんだろうか。本人たちが不安なのは当たり前だ。すでにダンス大会に参加が決まっていることは、すごいことだ。びっくりしたけど、ジャニーズJr.7人を渡米させて修行させるなんて半端な気持ちでは決断できない。これは事務所からの期待をめちゃくちゃ背負っている。それだけは分かった。

 

そしてこの一週間、毎日考えているうちに自分の中で考えがまとまってきた。

いまのファンはいまのトラジャが好きなので、現状維持を求めるのはごく自然のこと。それに対して本人たちはまだ高みを目指しているから感覚のギャップが生じている。だからモヤモヤしていただけで、そもそも彼らと同じタイミングで同じ考えを持っていることはない。そして今回発表された内容は、現段階できっとほんの一部に過ぎない。彼らが見せてくれるもののほとんどには時差がある。完成から発表までに時間がかかる。何かが発表されているときには、もっと先の何かに取り掛かっている。きっと彼らは想像以上に、ずっと未来を見据えているはずだ。デビュー後の数年先まで見えているのかもしれない。だからいまの段階で、すべてを無理やり納得しようと思わなくていい。

トラジャのダンスは好きだけど、世界で通用するのかどうかは正直分からない。渡米して、世界のレベルの高さに打ちのめされて、絶望するかもしれない。それでもきっと、今まで支え合ってきた7人なら乗り越えられるんじゃないかと、一ファンの目線では思った。

 

大切な人の旅立ちを祈るような気持ちで、久しぶりにaikoを聴いた。明るい曲よりも少し切ない曲を聴きたい気分だった。はっとしたのは「戻れない明日」を聴いていたとき。

 

 

心の向かった場所が本当か

間違ってるかなんて解らないから

あなたに降る星 あたしに吹く風

見守っていて 包んで 離れないでいて

どんなに考えても答えはないよ

ふたつとしてないものだから

 

あたしはあなたじゃないから全てを

同じように感じられないからこそ

隣で笑っていたいの

悲しくなった時は

沢山泣いてもいいけど

ずっとそこにいないで

うずくまったりしないで

一緒に見たいの 戻れない明日

 

戻れない明日

戻れない明日

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

この曲の歌詞は、私が今回感じたこと、そしていまの感情に近かった。

他人であることも、分からないことも、悲しいことじゃない。ただ、すこやかでいてほしいし、独りだと思ってほしくない。アイドルにはファンの生き霊がたくさんついていて、アイドルを守ることができるらしい。できることならLAまで私の生き霊を飛ばしたいし、ついでに松倉くんの財布紛失もスマホ紛失も阻止したい。

 

今回の渡米発表を受けて、モヤモヤしたひとも多くいると思う。もしかしたら今後の応援の仕方を変える人もいるかもしれない。離れる選択をする人もいるかもしれない。ファンの数だけの好きの種類があるし、応援の仕方があるし、感情がある。その気持ちはそれぞれ尊重されるべきだと思う。飲み込みにかかる時間も個人差がある。だから他のファンが、前を向き始めているからと言って焦る必要はない。人には人のペースがある。元はと言えば、アイドルとファンというのは一対一の関係性なので、他のファンの意見を見てすぐに流されるのは危険だとも思う。

私は、彼らの決断が納得できるのかできないのか、嬉しいのか悲しいのか、応援し続けるのかやめるのか、明確な答えを出す必要はない、という結論に至った。はっきりさせようとするから苦しくなるのだ。いつ戻ってくるのか不安な気持ちも、同じ日本にいない寂しさも、+81の継続方法に感じる不満も、海外に行くことが心底羨ましくて恨めしい気持ちも、これからどんなコンテンツがどんな風に発信されるのか楽しみな気持ちも、全部本音で本当だ。

 

私の好きなトラジャがLAに行く。ただそれだけだ。7人が本当に行きたいなら行けばいいさ。

 

そういえば、トラジャはカエルとお散歩をする約束を覚えているだろうか。松倉くん、アメリカのカエルはなんかしらんけどデカそうだから日本にいるうちに散歩しといたほうがいいよ。と、くだらないことを思う余裕も出てきた。大変なこともあるだろうけど、きっと楽しいだろうな。シェアハウスの家は広いといいな。朝、いちばん最後に起きてくるうみちゃんが容易に想像できる。如恵留くんは給食当番表みたいな表をつくって、みんなの家事分担を決めるのかな。いまはきっと、27日のWorld of Danceに向けて、猛練習している最中だろう。忙しくてすぐには読めないかもしれないけど、これ以上後悔しないように爆速で如恵留くんにお手紙を書いて投函した。そもそもこれが無計画で途方もない計画だったら誰かが黙ってないだろう。事務所の言いなりになるほど、自分たちの意見が言えない(通らない)人たちじゃないだろうし。無期限というのはただちょっと話題づくりで言ってみただけで、なんだかんだ年内に戻ってくる気もしてきた。

そして今日、私の中の情熱の国王が「こうしましょう。トラジャがLAにいる期間、私が日本にいる期間、この期間で一番楽しんだ人が勝ち。それでどうですか。私も、負けるつもりはありませんので」などとトラジャの脳内に直接に語りかけるようになった。(怖)

 

 

トラジャが日本から旅立った後、私はどう思うだろう。私の日常はどう変わって、何が離れて、どんな風に彼らと繋がっていくんだろう。どんな風に愛を共有するんだろう。戻ってきた彼らはどんな風に成長しているんだろう。どんな景色が見えるんだろう。いまはそれが楽しみで仕方ない。

 

 

 
 
 
 
 
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